体軸が基動軸の周りを回旋しながら、体心を降下させ前進後退する運動で、体軸は基動軸に対して常に平行の状態にあり、左方・右方回旋による渦列状の旋回運動を行う攻防一体の技を指す。
旋技の動功五戒
旋体風林
風が林の中を通り抜ける様に素早く技を施す
起発制肩(腰)
旋技を行うとき肩を制されない様に素早く回る
楕円降下
旋技を行うとき同じ位置で回るのではなく前進しながら身を低くする
三動一体
旋体を行うとき(防ぎ手・差し込み足・旋回する)三つの動作が同時になるように行う
雁下即決
旋技を行うとき体が回っているため、目標を真中に置かず雁下に置く
体軸が基動軸に平行か演武平面に垂直を保持しながら前進後退の動きをするが体心の軌跡は常に同一水平面を移動することなく、上下前方・後方へ昇降状の運動を行う攻防一体の技を指す。
運技の動功五戒
運体激浪
上下する激しい浪が岩を打ち砕く様に行う
起発制足(膝)
運技を行うとき前に出る足を制されない様にする
三節一体
突き手の手関節・防ぎ手の肘関節・前に出る足の膝関節の三つを胸の前に集め防ぎながら技を施す
足甲踏趺
運技を行うとき、防ぎ足や引き足が着地するときに相手の足の甲を踏み砕く様にする
関元即決
体が低い状態で真っ直ぐ動くので、目標を関元に置く
体軸が基動軸を中心として動く旋回運動である。体心の軌跡が螺旋状の運動ないしは基動軸と一定の角度を取り、円錐曲線状の楕円、双曲線・放物線を描き倒木状に傾斜運動を行う攻防一体の技を指す。
変技の動功五戒
変体雲風
雲が風に靡いてその影が変化するように、体を素早く倒しながら行う
起発制股(踵)
変技を行うとき股間や軸足の踵を制されない様に行う
応変風靡
変技を行うとき相手の動きに逆らわず、体が風に靡くように前後左右に倒しながら行う
三鼎共合
変技を行うとき軸足と体を倒した手の位置で正しく三角形を作るように体を安定させながら行う
気海即決
変技を行うとき体を倒すので、低い位置から斜め上方に向かって気海を目標に置く
体軸が基動軸にやや直角の状態で傾斜軸を作り左右旋回運動をする。その場合、空中又は着地状態の時においても、体心の軌跡は円錐状・螺旋状の運動を行う攻防一体の技を指す。
捻技の動功五戒
捻体渦生
渦が何かを巻き込みながら変化を生ずる様に強く行う
起発制背(胸)
捻技を行うとき背中や胸を制されない様にそれらを意識して素早く行う
股間触発
捻技を行うとき相手の体(首・胴・足)に自分の股間に触れる様に深く挟むと同時に素早く行う
両腿挟圧
捻技を行うとき相手の体(首・胴・足)を両足の大腿で強く締め付ける様に捻じりながら行う
天地即決
捻技を行うとき相手の首や胴から技が外れても相手を狙う様に、目標を上下に置いて行う
体軸が直線状の軸の形を取らないで弧状・円状をとるところに特徴があり、空中又は演武平面状を前後左右に回転する運動で前後方回転、左・右方側転、空中回転など球転状の運動を行う攻防一体の技を指す。
転技の動功五戒
転体雷同
稲妻や雷鳴を放つ様に相手の的を砕くような勢いで行う
起発制腰(臀)
転技を行うとき回転する中心の腰や臀部を制されない様にそれらを意識して素早く行う
応転雷火
転技を行うとき相手の動きに逆らわず稲妻の様に自在に回転しながら行う
三曲動折
転技を行うとき、首・肩・腰の関節を同時に曲げて滑らかに素早く回転しながら行う
間合即決
転技を行うとき相手との間合に応じて回転の距離を大きく又は小さくしながら目標を狙って行う
※画像は躰道概論P79〜81、P180〜184から抜粋