第14回全国社会人躰道優勝大会 2004/9/12(日)

始めに

法形競技

実戦競技

終わりに


始めに

 二度目の参加になる社会人大会、昨年は不満足な結果に終わってしまい、今回はその借りを返すつもりで参加した。また長らく試合から遠ざかっていたので、全日本に向けて試合の感覚を取り戻す意味もあった。全日本大会の前哨戦としては時期的にもちょうど良いかと思った。

法形競技

 社会人大会の法形競技は男女混合で行われる為、中々面白い組み合わせになったりする。また、他の法形競技に比べて選べる法形が多く、例えば全日では男は一回戦は必ず転体と指定されているが、社会人大会は男は体、制の中から自由となっており、選択範囲が広い。更に年齢的にも幅が広いというのが特徴だろう。
 さて、今回の法形競技の感想だが、以前から私が指摘している、蹴り足の抱え込みの低さが以前にも増して目立っていた感じだった。転体ばかりでなく運体や制の法形をしている選手が何人か居たが、やはり前蹴りの膝の抱えが弱く、三節一体が出来ていなかったやはり黒帯を締めているのだからそこの所はしっかりとやっていただきたい。仕事で練習が思うように出来ないのは理解できるが、そのような事では黒帯の価値を下げているようなものだ。しっかりしてもらいたいものだ。こういう所に、普段殆ど転体の法形しか練習しない弊害が顕著に現れていると考えてもいいだろう。協会はこの事をもっとしっかり考える必要があるだろう。
 次に気になったのが全体的に技の重みが感じられなかったという所だろうか。技の速度は確かに早い。早いのだが見ていてどうしても軽く見えて、果たして本当に威力があるのだろうかと感じてしまった。確かに早さがあればそれに比例して威力は上がるので早く技を出す事には異論は無い。だがしかし、見た目がいくら早くとも実際に当ててみると意外と威力が無い事が多いのも事実である。上位に進んだ選手はその辺りの事は当然考えているとは思うのだが。後は全体的に、所謂技の切れが余り感じられなかった。一回戦敗退のくせに何を偉そうにと思われるかもしれないが、遭えて言わせてもらえば、特に上位に入賞者した選手ほど昨年に比べると切れが悪かった印象を受けた。
 以上が今回の法形競技で私が感じた主な事だ。

実戦競技

 今回の実戦競技で一番印象に残ったのは審判の判定がいつもよりも厳しい事だった。かなり運足を意識しているなと思った。以前ならポイントを取っていたであろう技も、運足不十分で、余程綺麗に決まらないと技として認めなかった。また技の角度や制御についても同様で、所謂ブン回しの旋状蹴りなどは反則を取られて、反対に失格になったりしていた。
 さて私の試合結果だが、一回戦は不戦勝、続く二回戦は運良く捻技を取ってもらい最初の飛燕突きと合わせて一本で何とか三回戦まで駒を進める事が出来た。三回戦の相手はどうも見た事があるなと思っていたら、最後の学生大会の時に個人実戦競技で対戦した相手だった。
 結果は技有り二つを取られてあっさり負けてしまった。今思い返せば学生大会の時は本当に運が良かったなと思う。因みにこの選手は準決勝で足を痛めてしまい、決勝は惜しくも不戦敗だった。時期的にアテネ五輪が終わったばかりだったので、予選で終わって暇を持て余していた私は柔道のように三位決定戦をやってくれたらなぁ、と都合の良い事を考えたりしていた(笑)。
 それにしても久しぶりの実戦の試合だったので予想以上に緊張してしまった。去年の無様な結果を雪辱したく、何が何でも勝って決勝に行くぞという思いが強すぎたからだろう。そのせいで最初の試合で異常な程疲れてしまった。一試合での体力の消耗が激しすぎた。三回戦はハッキリ言って下手をすればバテていただろう。試合が終わった後冷静に、緊張しすぎるとこんなにも疲れるのかと思った。個人実戦はこんな所だろうか。
 さて、次に昨年から始まったと思うのだが、社会人大会では予め出場者を募っておき、その日に抽選で団体実戦を組むという、一種のお祭り的なものがある。私と同じ組になった人は全員私の事など知らないし、私も知らないので、個人実戦とは違いあまり勝ち負けを気にしなくても良く、精神的にかなり楽だった。そのおかげか実際試合をする段になっても普段の実戦練習の感覚で臨む事が出来きかなり精神的にゆとりがあった。だからか、自分で言うのも変だが個実よりいい動きが出来た。また最近練習している連技も出す事が出来し、体力も先に述べた試合よりはるかに消耗が少なかった。組としての結果は3-2で一回戦敗退で終わってしまったが個人的な結果としてはまぁまぁ良かった内容だった。
 個実と団実両方の試合が終わった後、どんな時にでも平常心を忘れてはいけないというのが身をもって実感できた。自分の気の持ちようでここまで体に影響が出るものとは思いもしなかったからだ。そう言った意味ではかなり良い体験が出来た。結果としては満足のいくものではないが今回の試合で得た物はかなり大きいといえるだろう。
 以上が今回の実戦競技についての感想である。

終わりに

 今回は平常心の大切さをその身を持って知る事が出来たのが一番の収穫だろう。平常心、平常心とは言うものの、実際にはそこまで気づいていなかったのだから…。
 話は変わるが今回も自分なりに色々と気づいた事を書いてみたいと思う。先ず運体の法形についてだが、左右の二段蹴りの場面で、間違っている選手が沢山見受けられた。どのように間違っているのかというと、簡単に言えば飛んでから海老蹴りを出しているのだ。学生の時に間違って覚えてしまったのかもしれないが、正しくは二段蹴りだ。この箇所は間違えてやっている選手が沢山居ると思うので日躰協は早急に直すよう努力する必要があると考える。
 次に気になったのが、所謂上層部と呼ばれている方々は他武道を研究しているのだろうかと言う事だ。何故かと言うと試合に重きを置いて、所謂試合重視になり法形や運足の持つ意味が薄れかけていると感じるからだ。私は今自分なりの考えで空手を学んでいるのだが、そこから改めて学ぶものがあり、これを躰道、空手両方に活かしていければと考えている。しかしこれは私が他の武道を学んでいるから言える事であり、躰道だけしていたのでは気づかなかったと思う。だから私はもっと積極的に他武道と交流してお互いに学んでいけばよいのではと思う。そうすれば知名度もあがるだろうし、より多くの人に見てもらう事によってもっと良い方向に行けるのではないかと思うからだ。
 最後に気になったのは、前回の実戦の優勝者が参加していなかった事だ。当然出場するものと思っていたので予想外だった。だからか、今回は昨年に比べると実戦競技は少しレベルが低く感じた。
 どうも最後は支離滅裂な文章になってしまったが、以上が第十四回社会人大会に出場して私が感じた事である。

2004/10/12 (火) 22:37:43作成

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