平成11年度躰道納会大会
(1999年12月19日実施)
1、 はじめに
2、 実戦競技について
3、 法形競技について
4、 展開競技いついて
5、 おわりに
1999年12月25日 作成
今回の納会大会は例年の様に、大阪府立体育館で行われるのではなく、豊中市立『武道館ひびき』で行われた(多分今後はひびきで行われると考えられる…)。何故そうなったのかと言うと単に府立体育館の道場使用料が高いからだそうだ。しかし場所が変わると言うのは大した事の無い様に思われるかも知れないが、実はかなり辛いものなのである。移動時間がガラッと変わってくるからだ。そのため事前の体調管理はシッカリしておかなくてはいけないのである(試合全般に言えることだが…)。
それはさて置き、今回の試合は行き慣れた道場なので、試合をしに行くというよりもむしろ他団体との練習試合のような感じがしていた。しかしこの試合が今年度(1999年)最後の試合なので、満足の行く結果を出したかったと言うのもあるが…。
因みにこの試合は他の一般の試合と比べると少し違う内容のものがあるのでそれを説明していきたい。
先ず団体実戦競技だが、これは普通の団体戦とは違い、3人で1チームで尚且つ勝ち抜き戦なのである(普通は5人で1チーム、勝ち抜き戦ではない)。これにより作戦の立て方も従来道理ではいかなくなって来るのである。本来の試合よりも順番付けが大切になってくるのではないだろうか?
そして展開競技。これも3人で1チーム(本来は6人1チーム)で、時間も17~22秒と少し少ない。また従来の展開競技に比べ自由度が高いことも挙げられるだろう。余談だが、比較的納会の展開は入賞のチャンスが誰にでもあり(一回生も頑張れば優勝も夢ではないと言う事。実際、Nさん・小倉両氏は一回生で銀・金賞を獲得している。)、また逆にのびのび出来るので私は個人的に納会の展開は好きだ。この展開はなかなか良いものである。
話しが横道にそれてしまったが、一般的に行われる試合との違いはこんなところである。
果たして今回私は個人実戦競技で優勝することが出来るであろうか?そして展開競技、団体実戦競技は是非ともOB達を倒し(最近現役生がOB達に圧倒されているので)優勝したいものだ。不安ではあるが楽しみでもある。
先ず結果から報告すると今大会はなかなか良い成績が残せた。個人実戦は三位に入賞し、団体実戦は優勝を収めることが出来た。徐々に練習の成果が出てきていると自分では考える。この調子を下げずに2000年も頑張っていきたい。
さて、今回の納会は例年と比べるとかなり人数が減っていた。例年と比べると軽く10人は減っていたと思われる。場所が変わった事と和歌山の高校生が受験の時期に来たからであろうか?それはさて置き今回私はなかなか体が暖まらずに苦労した。そのせいか午前中はあまり良い動きが出来たとは言えない。一回戦の相手には相手の限角対応注意で勝ったのである。この時ほど情けない勝ち方は無いと思った。
二回戦の相手には、相手がジャンプをしたのを見計らって旋状蹴りを見舞い(これは相手をしっかり見ると言う練習が活きて来ていると感じた。)、審判から「技有り」をもらったまでは良かったのだが、その後が続かなくて逃げ切るような形になってしまった。やはりまだまだ攻めてに欠ける様である。
三回戦の相手は何時も道場で一緒に練習している人なので緊張感はそれほど無かった。しかし私のクセなどが知られている相手なので警戒していく必要があるなと思った。しかしこの警戒心が裏目に出てしまったのである。必要以上に警戒してしまい得意の飛燕突きが余り出せなかった。そして終了時間が迫ってきたので強引に捻技でこかし「技有り」を相手から奪い、またもや逃げ切る様な形で勝ったのである。これもかなり後味が悪かった。かなり傲慢なことを書いていると考えるのだが、やはり強引に勝つより颯爽と勝ちたいものである。
そして四回戦が来た。これに勝てば決勝戦進出と言う事もあって自然と肩に力が入ってしまい、少し緊張した。体の方はだいぶん温まってきていたので先ほどまでの試合と比べるとあまり問題は無かった。相手は私よりもでかい相手だった(自分よりもでかい相手と対戦するとどうしてもその大きさに押され気味になってしまう。特に突っ込んで来られると迫力が違うので厄介なのである。今後はこう言った対策も練る必要があるだろう。)。この相手は他の試合でもよく突っ込んでいたので、カウンター気味に旋状蹴りを当ててやろうと考えていた。
しかしいざ試合が始まってみると、私とは初対戦なので警戒してかあまり突っ込むようなことはしなかった。また突っ込んできても相手の方が突っ込んでくる速度が速かったので旋状蹴りが出せなかった。このままでは無駄に時間が過ぎていくので自分から積極的に攻めていこうとしたのだが、どうも攻めにくく、自分から技が出せずに待ちの状態になってしまった。そしてある程度時間が過ぎた頃にチャンスは来た。相手が旋体で突っ込んで来たところをその場の伏敵で躱し、思っていた通り捻技で来たので得意の運体飛燕突きを相手に見舞った。しかし体勢が不充分だったためにポイントは取れなかった。そして限角対応注意で負けてしまった。
負けてしまったのは残念だが、三位決定戦まで残れたので嬉しかった。
そして午後になり決勝戦が始まった。
私の三決の相手はNさんだった。お互い大学の先輩後輩同士なので、互いの動きのクセ、持ち技は知り尽くしているので良い試合が出来そうだと思った。またNさんさんとは一度和歌山県大会の決勝戦で対戦しており、Nさんの持ち技である斜状蹴りと旋体回状蹴りに敗れているので今回はその借りを返すつもりで望んだ。
相手の持ち技は斜状蹴りなので、飛燕突きが自然と対策として挙げられる。何故かと言うと同時に技を出した場合大体飛燕突きが勝つからである。ジャイケンでいえばグーとパーの関係のようなものである。しかし相手の運足の速度はかなり速いので反応できなければこちらがやられてしまう。また旋体回状蹴りを躱す自信は無かった。とにかく相手に勝つには、相手の動きをよく見て練習でやっている動きをするしかないと思った。
試合が始まると先ずはお互い様子を見合っていた。そしてほぼ同じぐらいのタイミングで技を仕掛けた。このとき自分の膝が相手の足の甲にあたってしまい相手の足を痛めさせてしまった。そしてまたお見合いがある程度続いた。今度先に仕掛けてきたのはNさんであった。仕掛けてきた技はNさん得意の斜状蹴りであった。私はこの技とほぼ同時ぐらいに飛んで飛燕突きを出した。これはバッチリのタイミングで反応できた。そして相手より先に「技有り」を奪い、この勢いで攻めた。とある本に戦いは勢いが大事だと書かれていたが、やはり勢いに乗っていると動き易いものである。この勢いに乗って私はO君が考えた技を拝借して斜状蹴りを決め、2度目の対戦に勝った。こうして私は三位決定戦に勝利し、三位入賞を果たしたのである。
次に団体実戦について以下に述べていく。
先ず出場チーム数だが、4チームだけと言うかなり少ないチーム数であった(もっと詳しく言えば、最初は3チームしかなく急遽経法大がもう1チーム作ったのである。う〜んスゴイ。)。私は経法大Bチームで出場した。
初戦の相手チームは西宮チームだった。このチームにはO君が調子が悪いにもかかわらず、怒涛の3人向きで勝ってくれたので私とNさんには良い休憩となった。そして決勝戦の相手チームは豊中チームであった。ここのチームは全員背の高い人なので、勝って優勝したい気はあったが、私は正直言ってこのチームに勝つ自信はあまり無かった。
今度は先程とは違いNさんが先鋒だった。Nさんは先程の三位決定戦で足を痛めており、最初に出てもらい相手の体力を奪い次鋒が勝つという作戦である。向こうの先鋒はNさんだった。残念ながらNさんはNさんと相性が悪く、足を怪我していることもあって捻技で敗れたものの、負傷しながら充分な活躍をしてくれた。その甲斐あってか、O君がNさんに勝ってくれた。相手チームの次鋒はN山さんだった。Nさんに敗れはしたものの、かなり体力を減らしてくれ、また機動力を奪ってくれてとても助かった。そのお陰でとても戦いやすかった。
そしてとうとう最後の戦いになった。相手は個人戦で私を負かしたMさんである。個人戦では負けているので何としてもこの対戦は勝ちたかった。相手は確かに強いが勝てない相手でもないので、突進に注意していれば勝てる気がした。しかしやはり手強い。何発かボコボコ蹴られた。運が良かったのかポイントは取られずにすんだ。幾度か飛燕突きのチャンスは有ったのだがことごとく失敗してポイントが取れなかった。
そうこうしている内に限角のチャンスが到来した。何が何でも限角でポイントを取り相手より優位に立たなければ苦しい展開になっていたと考える。何故なら最初に蹴られた右腕が徐々にではあるが痛み出してきたからだ。もし延長戦になれば負ける要素の方が大きかったのである。そして何とか限角で「有効」を取ったまま、また逃げ切って勝った。
自分としては満足のいく試合内容ではなかったが、チームが優勝できて本当に嬉しかった。
今回の試合で特に感じた事は、飛燕突きは体勢が充分でないと取ってくれないと言うこてである。飛燕突きを得意技としている自分にとっては良い経験になった。それからどんな状況でも体を充分に動かせるに事前に体を温めておく必要性を痛感した。そして最後にもっと相手を攻める事が出来るようにならなければ、今回の様に逃げ切るような勝ち方ばかりになってしまうだろう。
以上の3点が今大会の実戦競技で感じたことである。
今回の法形競技(因みに今回も例年通り法形は男女混合)はかなり寂しいものだった。トーナメント表を見るとそこそこ人数がいるのだが、実際試合が始まってみると一〜四回戦までは連続で不戦勝で終わっているのだ。五回戦でようやく試合が始まったと思ったら、六回戦も不戦勝で終わっていた。そのおかげで旋体をやっている人は殆どいなかった。連続4回不戦勝が有り、合計すると5回も不戦勝が有るとは、いやはやスゴイ試合だ。
私は不戦勝で勝っているので実質二回戦からと言う事になる。対戦相手は和歌山の女子だった。この人物は毎年三位以内に入賞という安定した実力の持ち主で、私などが到底かなう相手ではない。ものの見事に3―0で負けた。私が負けた原因はやはり運体の蹴りの時の腰の上下運動と構えのせいだと思われる。何故腰が上下運動をするといけないかと言うと、腰が上下することによって、こちらが相手に技を仕掛ける動作が簡単に読まれてしまうからだ。
今まで三年間やってきて未だにこの腰の上下運動は直らない。今後はこの腰の上下運動に気を付けてこれから練習をしていかなければ、今後の実戦の能力は上がり難いと思われる。そして構えはよく脇と指が開くのでシッカリと閉めないといけない。これは特に今後の展開競技に関わってるだろう。
今回の法形競技についてはあまり「おや?」と感じる事も無かったので短くなってしまったが、以上が法形について感じた事である。
今回の展開は例年に比べると少し少なかったと考える。『はじめに』でも書いた通り、和歌山の人達が受験期だからだろう。
出場数のことは置いといて、私は経法大Aチームで参加した。
昨年の試合では散々な結果に終わっていたので、今回は絶対優勝するぞ!と言う気持ちで望んだ。
展開の構成は大まかに言えば、主(Nさん)に対し最初ある程度攻防し、最後に主の水平蹴りを飛び越えるような形でロン宙をして、バク宙蹴りを食らって死ぬと言う内容だ。この「水平蹴りを飛び越える」と言う行為は以前からやりたっかので無理を言ってやらさせてもらった。最初は飛び越える感覚や歩幅が合わずに苦労したが、慣れてくると意外と簡単に出来ると言う事がわかった。余談だがこれは今後の演武にも使い、観客を沸かして新入生を沢山入れたいものである。
今回はこれとバク宙蹴りがあるので成功すれば必ず優勝できると思っていた。本番ではバク宙蹴りは失敗してしまったが優勝することが出来た。
今回の展開を見ていると極技を失敗しているところが多くあった感じであった。どんなに良い構成でも極技で失敗していては何にもならないので、改めて極技をキッチリ決める重要性を再認識できた。全体の流れをシッカリ練習する必要もあるが、それ以上に極技に(特に流れなどが完成してきたら)力を入れていく必要性があるなと思もった。
今回の大会では殆どの競技に良い結果が出せた。文句を言うなら、参加人数が例年に比べるとかなり減っていると言うことである。ある程度人数がいた方が張り合いがあると考えるのだが…。
それはさて置き、最近私は実戦での調子が良い。これもひとえに皆が私の練習に付き合ってくれたおかげだ。この場を借りてお礼を申し上げます。
この調子で来年の学生大会は是非とも午後の決勝戦にまで残って、もう一度経法大の力を他の大学に見せつけやりたいものだ。
今年は色々大変な時期だったが、最後に良い結果が残せて本当に嬉しいし、良かったと思っている。この結果に満足せずに、これをバネにして来年は更に良い結果が出せるよう頑張っていきたい。
今年(1999年)は良い感じで2000年を迎えられそうだ。